三朝温泉とは?歴史・泉質・効能を徹底解説!世界屈指のラドン泉とホルミシス効果の秘密

世界でも数少ない“ラドン泉”として知られる、鳥取県の『三朝(みささ)温泉』

千年以上の歴史を持ち、今も“健康長寿の湯”として多くの人を癒しています。

本記事では、歴史や伝説から科学的研究に基づく効果・効能まで、三朝温泉の魅力を解説します。

目次

三朝温泉の歴史と由来。千年以上続く伝説の古湯

鳥取県の山あいに静かに湧く三朝温泉。
その歴史はおよそ850年前、平安時代にまでさかのぼります。

この温泉が見つかったきっかけは、「白狼伝説」と呼ばれる物語。
源義朝の家臣・大久保左馬之祐が、山中で出会った年老いた白い狼を射ようとしたものの、その命を助けたところ、その夜に妙見大菩薩が夢に現れ、「狼を救った礼に、この地に湧く霊泉を授けよう」と告げたと伝わります。

以来、この湯は人々の病を癒す“救いの湯”として知られるようになりました。

こうして誕生した温泉は、「三たび朝を迎えるころには元気になる」と言われるほど効能が高く、この言葉がそのまま温泉の名「三朝(みささ)」の由来になったとされています。

三朝温泉 株湯(かぶゆ)
出典:三朝温泉公式サイト

温泉の起源となったのが、今も湯けむりを上げる「株湯(かぶゆ)」です。
楠の古木の根元からこんこんと湧き出る源泉で、地元の人に長く親しまれています。

ここでは“飲む温泉”としての文化も残り、湯を口に含むことで体の内側から整える“六感治癒”の地として愛されています。

三朝温泉 三朝橋

温泉街の中心に架かるのは、昭和9年に造られた「三朝橋」。

青御影石でつくられた風情ある橋で、今も街の象徴として旅人を迎えます。
橋のたもとには名物の「河原風呂」足湯「河原の湯」があり、湯けむりとともに人々の語らいが生まれる憩いの場所として親しまれています。
映画『三朝小唄』の舞台にもなり、橋のそばには寄り添う男女のブロンズ像が佇んでいます。

三朝温泉 ブロンズ像

古くから湯治場として栄えた三朝温泉は、いまなお全国から“癒し”を求める人々が訪れる場所。
また、山岳信仰の聖地・三徳山参詣の前に身を清める“禊の湯”としての役割も担ってきました。

「六根清浄」と「六感治癒」。
自然の力と人の祈りが交わるこの温泉には、日本の“癒し”の原点が息づいています。

三朝温泉のお湯の特徴と泉質。世界有数のラドン含有量を誇る放射能泉

三朝温泉 河原風呂

三朝温泉の湯は、世界でもまれな“高ラドン温泉”

泉質は「含放射能―ナトリウム・塩化物泉」「含放射能―単純泉」に分類されます。
つまり、ラドンという天然の放射性ガスを微量に含み、体の中から自然治癒力を引き出す力を持つお湯です。

その効能は、実に幅広いもの。
関節リウマチや神経痛、肩こり、腰痛、高血圧、糖尿病、痛風、婦人病、アトピー性皮膚炎などの改善に加え、 美肌や疲労回復、ストレス緩和にも効果があるといわれています。

まさに、古くから人々の体と心を癒やしてきた“再生の湯”です。

湯に浸かれば、やわらかく心身を包み込む

三朝の湯に身を沈めると、森の中にいるような澄んだ空気に包まれます。

これは、温泉に含まれる微量な放射線が空気をイオン化し、マイナスイオンが発生するため。
つまり、温泉そのものが“天然の森林浴スポット”なのです。

湯けむりの向こうに広がる静けさの中で、心も体もすっと解きほぐされていく癒しが三朝温泉にはあります。

湯を飲めば、温泉成分で体の内側から整う

三朝温泉 飲泉
出典:三朝温泉公式サイト

三朝温泉は、外からだけでなく内からも体を整えてくれます。

ミネラルをたっぷり含む湯を少しずつ飲むことで、胃や腸の血流が高まり、内臓が活性化
“飲泉場”では、地元の人や旅人がペットボトルを手にお湯を汲む姿も見られます。

湯けむりを吸えば、ラドンの効果が全身に広がる

三朝温泉 ラドン熱気浴
出典:ブランナールみささ公式HP

湯から立ちのぼるラドンを呼吸に取り込むことで、全身の細胞が優しく刺激され、抗酸化機能が高まります。

この働きは、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を抑える“自然の防御反応”とも言われています。
三朝では、この特性を活かした「ラドン熱気浴」も人気。

温かいミスト状のラドンに包まれながら、深く呼吸をすることで免疫力がアップし、体の内側から整う感覚が味わえます。

まさに、“吸う温泉体験”です。

ラドン温泉を吸う「ラドン熱気浴」が体験できる施設はこちら▼

ラドンとは?放射線をわずかに含む天然成分

三朝温泉 冬の風景

ラドンは、地中のラジウムが自然に分解されて生まれる微量な放射性ガスです。
これを浴びることで細胞が活性化し、血流や新陳代謝が促され、免疫力が高まるとされています。

これは「ホルミシス効果」と呼ばれ、世界でも注目されている自然現象です。
三朝温泉はその効果が科学的にも確認されている“ホルミシス温泉”の代表格。

浸かる・飲む・吸うという、どの方法でも体の芯からエネルギーが目覚めていく感覚が味わえます。
医療・健康分野でも注目が集まる、まさに“世界屈指の癒しの湯”です。

三朝温泉の放射能泉は安全?科学的に安心して入れる理由

「放射能泉」と聞くと少し心配になるかもしれませんが、三朝温泉に含まれるラドン量はごく微量ですので、体に留まることはなくすぐに体外へと排出されます。

1回の入浴で受ける放射線量は、胸のレントゲン撮影の約1/30以下。
科学的研究でも安全性が確認されており、健康リスクよりもむしろ“体の活性化作用”が注目されています。

三朝温泉では、その力を安心して、そして心地よく体験することができます。

ホルミシス効果とは?微量な刺激が体を活性化させる自然の力

三朝温泉の地下には、ラジウムを含む鉱石層が広がっています。
その鉱石から生まれたラドンガスが温泉水に溶け込み、入浴や吸入によって体内に取り込まれることで、細胞にやさしい刺激を与えます。

この微量な放射線刺激によって新陳代謝が促進され、免疫力や自然治癒力が高まるとされる現象が「ホルミシス効果」です。

実際に、1992年には三朝温泉地区の住民を対象にした統計で、がんによる死亡率が全国平均の約半分という報告がなされています。
この結果は、「微量放射線が人の体に良い影響を与える可能性がある」として、放射線ホルミシス研究の重要な根拠の一つとなりました。

現代湯治としても注目される三朝温泉

三朝温泉 足湯

湯治(とうじ)とは、温泉の効能を活かして病気の回復や体調改善を図る伝統的な療養法です。
かつて湯治といえば、1週間から数カ月にわたって温泉地に滞在し、じっくり体を癒すものでした。

しかし現代のライフスタイルでは、そんな長期滞在は難しいもの。
そこで三朝温泉が提案するのが、現代人に合わせた“新しい湯治スタイル”です。

世界有数のラジウム泉に浸かりながら、短期間でも心と体をリセットする時間を持つ
三朝温泉では、温泉街・病院・旅館が連携し、訪れる人一人ひとりの健康と癒しを支えています。

疲れを癒やすだけでなく、自分の体と向き合い“整える”ための場所として、三朝温泉は「現代湯治」のモデルケースとして全国から注目を集めています。

三朝温泉の効能・効果|デトックス・免疫向上・美肌まで

三朝温泉のお湯には、以下のような症状の改善や予防が期待されています。

効果の分類主な症状・作用
痛みの緩和リウマチ、神経痛、腰痛、肩こり、関節症など
内臓機能の改善肝臓疾患、糖尿病、痛風、慢性消化器病、胆道疾患
呼吸器のケア気管支炎、肺気腫、喘息など
美容・体質改善アトピー性皮膚炎、冷え性の緩和、美肌効果、疲労回復
メンタル面の効果ストレス軽減、精神的リラックス作用

また、上述したように地域の調査ではがん死亡率が全国平均の約半分という報告もあり、長年にわたる研究対象として注目されています。
これらの作用は、温泉のラドンがもたらす「ホルミシス効果」によるものと考えられています。

なぜここまで多くの効能が期待できるのか

ラドンから放出されるごく微量の放射線が、体の防御システムを刺激します。
このわずかな刺激がスイッチとなって、体の中では次のような反応が起こります。

  • 抗酸化力が高まり、老化や炎症を抑える
  • 免疫力・修復力がアップする
  • 血流や代謝が改善される
  • 痛みを和らげるホルモン(β-エンドルフィン)が分泌される
  • 細胞を守る「熱ショックタンパク」が増加する

つまり、「微量の刺激で体が自ら整う」というのが、ラドン温泉の最大の特徴。
薬のように“与える”のではなく、体自身の力を“引き出す”アプローチなのです。

海外でも認められるラドン温泉の力

三朝温泉 足湯

オーストリアのバドガスタインなど、ヨーロッパでもラドン療法は医療として行われています。
坑道内でラドンを吸入する「ラドン吸入療法」は、リウマチや関節炎の治療として保険が適用されるほど。
日本では三朝温泉がその代表格であり、研究面でも国際的に高い評価を得ています。

岡山大学などの研究では、ラドン温泉が酸化ストレスの抑制や免疫機能の活性化に役立つことが報告されています。
さらに、ビタミンCやEなどの抗酸化物質との併用で効果が高まるという実験結果も。

ラドン温泉は、

  • 痛みや炎症を和らげる
  • 生活習慣病や老化を防ぐ
  • 薬の副作用を軽減する

といった補助療法としての可能性を持っており、今後は予防医学やスポーツ医学、介護分野での応用も期待されています。

三朝温泉を楽しめる温浴施設・宿泊地一覧【22施設】

ここでは、三朝温泉を満喫できる温浴施設や宿泊地を一覧でご紹介します。
訪れる際の宿選びや立ち寄り湯の参考にぜひご活用ください。

※掲載内容は2025年11月時点の情報です。最新の営業状況や詳細は、各施設の公式サイトをご確認ください。

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