サウナも岩盤浴も「温めて汗をかく」ことで心身を整える温熱法として人気ですが、実はその仕組みには明確な違いがあります。
本記事では、サウナと岩盤浴の特徴・効果・入り方をわかりやすく整理しました。
「どちらを選ぶべきか」を迷っている方も、この記事を読めば自分に合った温め方が見つかります。
サウナと岩盤浴はどう違う?基本の仕組みと特徴

サウナも岩盤浴も「温めて汗をかく」点では共通していますが、熱の伝わり方や環境が異なります。
サウナは「空気を熱して体を温める」、岩盤浴は「温めた石からの遠赤外線でじんわり温める」という仕組み。
この違いが、発汗のタイミングや感じ方に影響します。
サウナとは?
サウナは40〜100℃ほどの高温環境で、体を温める温熱浴です。
ドライサウナやフィンランド式ロウリュサウナ、スチーム式(湿式)などがあり、湿度の違いによって体感温度が変わります。
高温の空気や蒸気によって皮膚表面が温まり、発汗を促しやすい環境をつくるのが特徴です。
数分入るだけでも汗が出やすくなり、水風呂などとの組み合わせでリフレッシュ感を得られる方も多いです。
岩盤浴とは?
岩盤浴は、温めた鉱石や天然石の上に寝転んで体を温める低温の温熱浴です。
石から放たれる遠赤外線が体をじんわり温め、心地よい発汗を促すと言われています。
室温は40〜50℃前後、湿度も高めで、息苦しさが少ないのが特徴。
代謝促進や冷え対策、美容面を意識する方にも人気がありますが、効果の感じ方には個人差があります。
サウナと岩盤浴の違いを一覧表で比較
| 項目 | サウナ | 岩盤浴 |
|---|---|---|
| 温度 | 80〜100℃(ドライ) 40〜60℃(スチーム・ミスト) | 40〜50℃ |
| 湿度 | 10〜30%(ドライ) 〜100%(スチーム・ミスト) | 50~80% |
| 発汗までの時間 | 短時間で汗をかきやすい | 徐々にじんわり発汗 |
| 特徴 | 熱気や蒸気で体表を温める | 遠赤外線で体の深部を じんわり温める |
| 入り方 | 座って5~10分×数セット | 寝転んで15~20分×数セット |
| 向いている人 | ストレス発散・集中力を高めたい人 | リラックス・冷え対策をしたい人 |
どちらか一方にこだわらず、その日の気分や体調に合わせて使い分けるのがポイントです。
無理のない範囲で楽しむことが、長く続けるコツです。
サウナと岩盤浴の効果を比較|健康・美容・リラックスの違い

どちらも「温める」ことで血流をサポートし、リフレッシュしやすい状態を作る点では共通しています。
ただし、サウナは短時間でアクティブに温まるタイプ、岩盤浴はゆっくりリラックスして温まるタイプという違いがあります。
共通する効果
サウナも岩盤浴も、共通して以下のような効果が期待できます。
- 発汗によるデトックス
- 血行促進で疲労回復
- 代謝向上、冷え性緩和
- 自律神経のリズム調整
どちらも「温めて→冷ます(休憩)」を繰り返すことで、体がリセットされる感覚を得られます。
サウナの主な効果
サウナは体を一気に高温へさらすことで、代謝をブースト。
血流が活発になることで疲労物質が排出され、睡眠の質の向上や集中力アップも期待できます。
特に水風呂との組み合わせで自律神経が整い、心身がシャキッと覚醒状態になるのが特徴です。
岩盤浴の主な効果
岩盤浴は低温でもゆっくり温まるため、冷えを感じやすい方や、穏やかにリラックスしたい方に人気です。
また、汗とともに肌の表面がすっきりしたり、心が落ち着く時間を過ごせる方もいます。
ただし、美肌や冷え性への効果には個人差があります。
サウナと岩盤浴を組み合わせるとどうなる?相乗効果

サウナと岩盤浴を交互に取り入れることで、より深くリラックスしやすいと感じる場合もあります。
岩盤浴でじんわり体を温めてからサウナに入ると、発汗がスムーズになりやすいという声も。
ただし、どちらも発汗作用があるため、水分補給を十分に行い、体調に合わせて無理せず利用することが大切です。
サウナ×岩盤浴の相乗効果
岩盤浴は遠赤外線の力で体の芯からゆっくり温めるのが得意。
血流が良くなり、体が柔らかくほぐれた状態になります。
そのあとにサウナに入ると、表面温度が一気に上がり、大量の発汗とデトックス効果がスムーズに。
つまり、岩盤浴で“下準備”、サウナで“本番の温め”というイメージです。
芯から温まった体は汗腺が開きやすくなり、サウナ単体よりも深いととのいを体感できます。
リラックス×リフレッシュの相乗効果で、心も体も軽くなるはずです。
効果的な入り方と順番
基本のおすすめ順番は、「岩盤浴 → サウナ」です。
- 岩盤浴で体を温めて汗をかきやすくする
低温でじんわり温まることで、血流が促進され、発汗準備が整います。 - サウナでしっかり発汗・代謝を高める
体の内外が温まった状態で入ると、短時間でも効率よく発汗! - 水分補給&休憩でととのいタイム
汗をかいた分の水分補給を忘れずに。心拍を整えながらリラックスしましょう。
この3ステップで、「深部から温まり、表面から発汗」という理想的な温熱サイクルが完成します。
組み合わせる際の注意点
どちらも発汗作用が強いので、やりすぎは禁物です。
長時間の利用や連続入浴は、脱水症状やのぼせの原因になります。
- こまめな水分補給を忘れずに
- 気分が悪くなったらすぐに休憩
- 空腹・満腹時は避けて、体調がいい日に利用
- 飲酒後・体調不良時・寝不足時は入浴を控える
自分のペースを大切に、無理なく組み合わせることが何より大切です。
気持ちいいと感じる範囲で楽しむのが、いちばんのととのいへの近道ですよ。
ダイエット目的ならどっちがいい?カロリー消費と代謝アップ効果

「汗をかけば痩せる」と思われがちですが、サウナや岩盤浴による体重減少はほとんどが水分の一時的な変化。
とはいえ、正しい理解と使い方をすれば、ダイエットをサポートしてくれる頼もしい味方にもなります。
サウナ・岩盤浴の発汗=脂肪燃焼ではない
「サウナや岩盤浴に入ったら体重が落ちた」という経験がある方は多いと思います。
しかしその減少分の多くは汗によって失われた水分であり、脂肪が燃えたわけではありません。
実際、ポーランド・ウォルミア・マズールィ大学の研究では、90℃のドライサウナに10分×4セット入ると平均0.65kgの体重が減少したと報告されています。
これはおよそ1セットあたり最大131kcalの消費に相当します。
つまり、サウナでもカロリーは確かに消費されますが、脂肪燃焼ではなく一時的な水分ロスによる体重減少が中心です。
「汗をかいた=痩せた」ではなく、「体が軽くなっただけ」と捉えるのが正解です。
それでもダイエットに役立つ理由
とはいえ、「サウナも岩盤浴もダイエットには意味がない」というわけではありません。
どちらも代謝を高め、むくみを改善し、体を痩せやすい状態に整える効果があります。
温熱で体温が上がると、血流が促進されて基礎代謝が一時的にアップ。
また、汗とともに余分な水分や老廃物が排出され、見た目のすっきり感も感じられます。
とくに、サウナは短時間で代謝をブーストし、岩盤浴は長時間のリラックスで冷えを改善。
続けることで「太りにくい体づくり」につながる可能性があります。
要するに、サウナも岩盤浴も直接脂肪を燃やすものではないけれど、燃えやすい体を育てるサポート役と言えます
サウナ・岩盤浴どっちがいいのか?目的別チェックリスト
「結局、自分にはどっちが合ってるの?」という人は、目的別に選ぶのがおすすめです。
サウナも岩盤浴も体を温めるのは同じですが、ここまでに解説したように得意分野が少し違います。
下のチェックリストを参考に、自分の目的にぴったりな方を選んでみましょう。
| 目的 | おすすめ |
|---|---|
| リフレッシュ・集中力アップ | サウナ |
| ストレスをリセットしたい | サウナ |
| ゆったり癒されたい | 岩盤浴 |
| 冷え・むくみ対策 | 岩盤浴 |
| 疲労回復 | どちらもOK (脳疲労ならサウナ、肉体疲労なら岩盤浴がおすすめ) |
| ダイエットサポート | 続けやすい方を選ぶのがおすすめ |
どちらか一方にこだわらず、その日の気分や体調に合わせて使い分けるのがポイントです。
無理のない範囲で楽しむことが、長く続けるコツです。
サウナと岩盤浴を一緒に楽しめる全国のおすすめ温浴施設【10選】
ここでは、全国のサウナと岩盤浴を楽しめる人気温浴施設を一覧でご紹介します。
※掲載内容は2025年11月時点の情報です。最新の営業状況や詳細は、各施設の公式サイトをご確認ください。
施設の立地はこちら
- 北海道|モエレ天然温泉 たまゆらの杜(札幌)
- 東北|天然温泉 喜盛の湯(岩手・盛岡)
- 首都圏(東京)|Spa LaQua(後楽園)
- 首都圏(千葉)|スパメッツァおおたか 竜泉寺の湯(流山)
- 中部|RAKU SPA GARDEN 名古屋
- 関西|スパワールド 世界の大温泉(大阪・新世界)
- 中国|アジアンリゾート・スパ シーレ(広島)
- 四国|伊予の湯治場 喜助の湯(愛媛・松山)
- 九州|ヒナタの杜 小戸の湯どころ(福岡・小戸)
- 沖縄|EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート(うるま市)

モエレ天然温泉 たまゆらの杜
(北海道)
モエレ沼公園そば。天然温泉にサウナ&4種の岩盤浴で“じっくり温活”。
北海道札幌市東区中沼西1条1丁目11-10
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天然温泉 喜盛の湯
(岩手)
高濃度炭酸泉と多彩なサウナ、アロマ系の岩盤浴が人気の大型温浴。
岩手県盛岡市南仙北1丁目18-50
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Spa LaQua
(東京)
東京ドームシティ直結。スパゾーンの多彩なサウナ+各種岩盤浴が看板。
東京都文京区春日1-1-1(東京ドームシティ LaQua内)

スパメッツァおおたか 竜泉寺の湯
(千葉)
駅近の人気店。名物“ドラゴンサウナ”ほか3種のサウナと6種の岩盤浴。
千葉県流山市おおたかの森西一丁目15番1

RAKU SPA GARDEN 名古屋
(愛知)
カフェ感覚の滞在空間。5種の岩盤浴と高温・塩サウナなどで“ながら温活”。
愛知県名古屋市名東区平和が丘1-65-2

スパワールド 世界の大温泉
(大阪)
巨大スパリゾート。各種サウナに加え世界の岩盤浴(有料)も。
大阪府大阪市浪速区恵美須東3-4-2

アジアンリゾート・スパ シーレ
(広島)
バリ風の癒し空間。坂の本館は“岩床浴”と多彩サウナ、祇園店は大型サウナ&ととのい充実。
広島県安芸郡坂町平成ヶ浜3-2-11

伊予の湯治場 喜助の湯
(愛媛)
JR松山駅前。“喜助の蒸”として岩盤浴&サウナ、湯治らしい落ち着き。
愛媛県松山市宮田町4(JR松山駅前)

ヒナタの杜 小戸の湯どころ
(福岡)
自然を望む外気浴が気持ちいい。温暖ルーム(岩盤浴)と広々サ室。
福岡県福岡市西区小戸2-1-87

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート
(沖縄)
発酵がテーマのウェルネスホテル。ドライ/ミストサウナ・岩盤浴を備える。
沖縄県中頭郡北中城村喜舎場1478
岩盤浴の違いとは?効果・順番・どっちがいい?

サウナと岩盤浴は、どちらも“温めることで心と体を整える”魅力を持ちながら、その仕組みや感じ方には明確な違いがあります。
アクティブにリフレッシュしたいときはサウナ、ゆったり癒されたいときは岩盤浴という形で、目的に合わせて選ぶことで温熱習慣の効果をより実感しやすくなります。
自分の体調や気分に合わせて、無理なく続けることこそが、健やかに“ととのう”ためのいちばんの近道です。
参考文献:
Robert Podstawskiら(ポーランド・ウォルミア・マズールィ大学)(2019年)、「Correlations between Repeated Use of Dry Sauna for 4 x 10 Minutes, Physiological Parameters, Anthropometric Features, and Body Composition in Young Sedentary and Overweight Men: Health Implications」
